フルモデルチェンジで登場した2020-21「RC4」シリーズ
シンプルなラインナップも2種類のプレートでまったく違った乗り味を実現

　「FISCHER」が国内の基礎シーンに向けてラインナップしている「RC4」シリーズ。2020-21モデルではフルリニューアルが図られている。レーシングモデルの流れを汲む「RC4」シリーズ。新次元の切れ味と速さとは!?どのような進化を遂げたのか!?
　まず、見た目で特徴的なのはトップの形状だろう。少しワイドでスクエアな独特の形状は単なる見た目だけの変更ではなく、ターン導入時のおけるトップのはいりや、エッジのとらえといったところが格段に向上させているという。そして、これらのデザイン変更に伴い「FISCHER」独特のトップ部分のホールのデザインも変更されている。
　もちろんスキーの根幹を成す芯材部分もリニューアルが図られている。注目したいのは「SHAPED TI（シェイプド チタニウム）」と呼ばれる芯材部分に敷かれたチタニウムのシート。チタニウムと聞くと、強く、操るにはアスリート並みのパワーと技術が必要になるのでは?と感じられるが、このテクノロジーはスキーヤーのパワーを最大限、そして効率的にスキーに伝えるため、またシャープな操作性を実現するために部分的に細くするなどの設計が施されている。このことにより、適切なフレックスとトーションバランスを実現。強くするところ、またしなやかにするところを明確に、シャープにすることで、これまで以上のキレといったところが強く感じられることだろう。

（左）「M/Oプレート」トゥー部分（黄色）は可動することで強さだけでなく適切なフレックスを実現
（右）網目にしかれたカーボンシート。ハイスピード負けないトーションと安定性をもたらしてくれる

　ラインナップはショートターンモデルの「RC4 SC」とロングターンモデルの「RC4 RC」とシンプルに感じられるが、それぞれに2種類のプレートが用意されている。レーシングモデルに使用されている「M/Oプレート」搭載モデルの「RC4 SC PRO」、「RC4 RC PRO」と、「M/Oプレート」よりも軽量で柔らかい「M-TRACK」搭載モデルが用意され、実質4モデルでの展開となる。「M/Oプレート」はやはりレーシングモデルに搭載されているということもあり、技術選出場などのアスリートモデルとなるが、「M-TRACK」は一般中上級レベル、女性や小柄な体格のスキーヤーにはベストな選択となるだろう。また、コブなどの不整地での操作性を重視したいということであれば「M-TRACK」という選択もおもしろいだろう。ハイスペックモデルながらもプレートに違いにより、乗り味も変わり、幅広いスキーヤーにベストな組み合わせを提供するといったところはパフォーマンスを第一主義に掲げる「FISCHER」らしさと言ってもいいだろう。

（上）「RC4 SC M/O PLATE」価格：¥145,000+税　サイズ：155、160、165cm　R：13m（165cm）サイドカット：119-64-104mm
（中）「RC4 RC M/O PLATE」価格：¥145,000+税　サイズ：170、175、180、185cm　R：18m（175cm）サイドカット：111-66-96mm
（下）「RC4 WORLDCUP CT」価格：¥145,000+税　サイズ：165、170、175、180　15,5m（175cm）サイドカット：113-65-98
＊SC、RC「M-TRACK」搭載モデルの価格：¥128,000+税

　そして2020ニューモデルの「RC4」シリーズの中に異彩を放つモデルがもうひとつ存在する。それが「RC4 WORLDCUP CT」。このモデルはワールドカップのパラレルスラロームで使用されるモデルのサイドカットを採用。当然のことながらアスリート仕様の「RC4 WORLDCUP CT」であるが、その特徴的ラディウス、そして幅広いサイズ展開は1台でショートからロングまでなんでもこなすハイスペック・オールラウンドモデルといってもいいだろう。技術選や検定といったところにとらわれることなく、ゲレンデをレーシングモデルさながらにハイスピードでカービングターンを楽しみたいというエキスパートにはもってこいのモデルといえそうだ。
　プレート違いによる「RC4 SC」と「RC」。そして「CT」と試乗会でその乗り味を体感してもらいたいところであったが、今年に限っては多くの試乗会も中止となり、そのチャンスは失われてしまった。それぞれの志向などから適したモデルを手にすれば、そのポテンシャルは余すことなく発揮されるだろう。
　
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