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2021 FISアルペンスキー世界選手権 小山陽平インタビュー
2021-02-25 (木) 13:40
*写真はオーストリア・フラッハウでのトレーニング時
不本意な結果が続く今シーズン
進化し続ける世界のトップシーンで奮闘!
2019年アルペン全日本選手権SLで優勝し、日本アルペンチームのエースとして迎えた2020-21シーズンの小山陽平(日本体育大学)。ワールドカップも盛り上がりを見せ始める12月には新型コロナウィルスの感染というニュースに心配する声も多かったが、1月にはレースに復帰。フラッハウ(AUT)でのワールドカップでは1本目32位とあと少しのところまでと結果が出始めた。調子が上向いてくる様子を見せたなかで迎えた世界選手権。得意とするSLではDNFと残念な結果に終わったが、世界選手権、そして波乱の今シーズンをどのように過ごしてきたのかを訊いてみた。
SnowMAP-まずはレースを終えて、今回の世界選手権はどうでしたか?
小山陽平-正直なところ、かなり悔しさが残る結果となりました。
SnowMAP-大会前はどのような状態でしたか?
小山陽平-決して調子が悪いということはなかったです。トレーニングでもほかの上位選手たちとタイムで比較してみてもそんなに変わらないタイムで滑れていました。自分の感覚としても悪くはなかったです。
SnowMAP-コースアウトする選手も多かったようですが、バーン状況はどうでしたか?
小山陽平-バーン状況は決して悪くはなかったです。多少なりとも溝はついていましたが、しっかりと滑ることができれば、チャンスがないというコース状況ではなかったです。
SnowMAP-SLでは1本目DNFというリザルトですが、状況はどうだったのでしょうか?
小山陽平-コース中盤の平らになるところで内倒してしまいました。正直なところ、もう少しこうすればよかったという次元ではなかったです。コースは出だしからすぐに急斜面ということで、スタートダッシュする必要はなかったのですが、その分、リズムをしっかり取っていかないと、後手後手になってしまいます。リズムに乗れずアウトする選手も多かったですね。そのあたりは自分も甘かったと反省しています。かと言って、丁寧に行き過ぎてもしょうがないので、攻めつつもラインを落とさないように滑らないといけなかったですね。そのあたりが上手くかみ合わず、自分もコースアウトしてしまいました。
SnowMAP-12月には新型コロナウィルスの陽性というニュースもありましたが?
小山陽平-発症後は2週間、隔離生活を送りました。その後、滞在しているオーストリアの保健所からの許可も下りたので、イタリアでのヨーロッパカップに出場するためトレーニングを再開しました。ですが、その大会に出るための検査で陰性とならず、出場はできませんでした。どうやらウィルスの残骸のようなものが体から抜けきっていなかったようです。
SnowMAP-1月に復帰という形でワールドカップにも出場されていましたが、調子はどうでしたか?
小山陽平-復帰してから、アデルボーデン(SUI)までは全くと言っていいほどに、納得のいく滑りはできていませんでした。ですが、トレーニングを重ねていくうちに調子は戻ってきました。フラッハウ(AUT)でのレースは1本目で32位と惜しい結果でした。
SnowMAP-世界選手権やワールドカップでも新しい選手、新しい滑り方と変化してきている様子ですが、どのように感じていますか?
小山陽平-ターン弧がさらにシャープになってきているのかなと思います。自分も速い選手の滑りを見て、自分のなかでイメージをしています。そういったことも、自分のレベルアップのためには、やはり必要不可欠ですね。
SnowMAP-その滑りを実現していくには技術のレベルアップはもちろんですが、さらにフィジカル面の負荷がかかるのではないでしょうか?
小山陽平-そうですね。技術と同じように鍛えていかないといけないですね。正直、コロナウィルスに感染して一度、フィジカルも落ちてしまったのですが、年明け以降のトレーニング、レースを通じて、最低限のところまでは戻せていると思います。
SnowMAP-チームパラレルではどうでしたか?
小山陽平-やはり見てる側としては面白いんじゃないですかね。目に見えて差という違いが分かりますからね。そのあたりが盛り上がる要因じゃないでしょうか。ただやはり、パラレルでの練習不足というところは感じています。オリンピックに向けて強化を図るということであれば、自分も含めて練習環境なども整備していく必要は感じています。
SnowMAP-ワールドカップもそうですが、チームとしての総合力が問われる大会にもなりましたね?
小山陽平-人数がいないと厳しい面はありますが、そこはしょうがないかなと思っています。それを言い訳にしてもしょうがないですから。
SnowMAP-シーズン終盤、これからのスケジュールはどうでしょうか?
小山陽平-ワールドカップはSLで残り1戦(スロベニア・クラニスカゴラ)となります。その後はロシアでのファーイーストカップに向かう予定です。レースも残り少ないので、これまで以上に集中して臨みたいと思います。
SnowMAP-レースも残り少なくなりましたが、ポイント獲得などリザルトが欲しいところですね。
小山陽平-そうですね。しっかりとリザルトが残せるようにがんばりたいと思います!
写真提供:浦木健太/日本アルペンナショナルチーム
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