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100年続く野沢温泉スキークラブの挑戦!!!

2023-07-22 (土) 15:18

この冬、野沢温泉スキー場が100周年を迎える。
それと同じくして数々の名選手を生んできた“野沢温泉スキークラブ”も今年12月に100周年を迎える。

そんな野沢温泉スキークラブが、スキー界の未来を切り拓く活動として立ち上げたのが、次世代のスキーヤーをみんなで育てる仕組み『next 100プロジェクト』

どんな活動なのか、野沢温泉スキークラブ理事(next100強化担当) 河野恭介さんにお話を聞いた。

Q.プロジェクト始動から始まったクラウドファンディングも順調のようですね!?

今回実施しているクラウドファンディングですが期間も折り返しとなるなかで大きなご支援を頂き、大変有り難く感謝の気持ちで一杯です。しかし、もう一方で期待して頂いてる責任も感じ始めているのが正直なところです。がんばります。

クラウドファンディングはこちら

Q.スキー場とクラブ共に100年を迎えるんですね!?

野沢温泉スキークラブは今年12月に100周年を迎えます。小学校の頃に野沢温泉へのスキー伝来の歴史を学ぶ時間があるのですが、この年になって改めて詳しく振り返ると独創的でスキーと村を愛したスキークラブ員、そして村民の皆様のおかげでいまの野沢温泉があるのだと強く再認識しています。
この歴史の詳しい部分は是非100周年記念誌にありますので読んでいただけると幸いです。一つの読み物としても写真集としてもオススメです。(制作チームの皆様に感謝)

Q.このプロジェクト立ち上げの経緯は!?

next100プロジェクトを立ち上げたきっかけは100周年を翌年に控えたスキークラブの改選で理事に選ばれたこと、そして100周年記念事業の計画が始まるなかで100周年以降のスキークラブ、そしてスキーというものがどうなっていくのかを若手理事で考えたことが始まりです。

ロゴの刷新であったり、規約の見直し、法人化など、多くのアイデアが出ましたが、我々の目的、クラブの目的はなにか?を再定義する必要があると考えました。

Q.100年歩んできた、クラブの目的とは!?

『スキー普及心身ノ錬磨及当温泉ノ発達ヲ図ル』この100年前のスキークラブ創立の目的をいまの時代に当てはめ、より分かりやすく簡潔に紐解こうと考えていたところ、河野克幸理事から「最高の人間を作り続ける」という言葉が飛び出ました。

私のような凡人からはこのような独創的なワードは出てこないので驚きましたが、現在のスキークラブの活動の根幹は選手育成であり、100年間スキーを普及して心身を鍛え野沢温泉を発展させてきたクラブはいうなればスキーを通じた人材育成を行ってきたんだということ、そして我々はこれからスキーを通して最高の人間を作り出していくことがミッションであると、そう結論付けました。

Q.具体的にどのようなプロセスをイメージしていますか!?

野沢温泉スキークラブが主に担当しているのは小中学生になります。この年代は発達、発育の関係で各年代で取り組むべき内容がそれぞれの分野で大きく変わってきます。

まず着手したのは数値目標の設定、そしてアスリートパスウェイの作成です。
どのような成長をスキーを通じて辿っていって欲しいか、そして最終的にどのような選手になって欲しいのか…クラウドファンディングの第一目標に掲げた「メソッド構築とトレーニング施設の充実」で進めていきます。

もう少し、詳しく説明すると…メソッド構築はこのパスウェイに沿った育成を実現するための手法を確立していくということです。それも身体能力、スキー技術、アスリート教育それぞれの分野でです。

日本の学校教育の難しさは小学校6年間、そして中・高それぞれ3年間と一番人間として成長していく時期で環境が変わっていくことです。ここを一貫して指導できるスキークラブという強みを活かして、一貫した指導をより良いものにしていく、そして発達発育を考慮して身体能力を向上し、スキー技術を身につけていく、そのための第一歩がメソッド構築というわけです。

Q.海外での実例もあるんですか!?

実際に、強豪国のほとんどはこれに加えて年代ごとのトレーニングガイドラインを作成し公表をしています。そして競技スキーテクニックに関する教本のようなものも発刊しています。

実際にオーストリアのアルペンチームではテクニックに関する教本の作成に取り掛かっていて、スイスのものも参考にしていると先日元同僚から聞きました。

スイスはFTEMなどのアスリートパスウェイ、そしてNLZと言われる州ごとに設置されているハイパフォーマンスセンターのようなチームが機能し、さらにメソッド、教本が存在していることから組織として、国としてビルドアップし今の圧倒的な強さがあるのではと推測しています。

Q.このプロジェクトが発端となって、選手育成の起爆剤になると良いですね!?

100周年を迎えるこの機会に一歩を踏み出すチャンスを頂けたことを大変嬉しく思います。
根拠に基づいた強化方針を作り上げ、方針に準じた強化体制を構築していくことが今我々がやらなければならないことだと強く感じています。
各種目の専門家、そして科学者や海外の指導者にもオファーをして出来る限りよいものにしたいと考えています。
また、この活動が次世代のスキーヤーを育てる全国の拠点に波及していったら良いなと思います。

Q.まだ、このプロジェクトの支援参加は出来ますか!?

支援を集うクラウドファンディングもラストスパートとなりました。

頂いたご支援は、多くの子供達にスキーをする機会を提供するためのレンタルシステム、グローバルな育成環境構築のために活用させて頂きます。
引き続き、皆様のご支援をどうかよろしくお願い致します。

クラウドファンディングはこちら(支援募集は7月31日(月) 午後11:00まで)

Photo: Yoichi Watanabe

次の100年を見据えた、野沢温泉スキークラブの新たなプロジェクト『next 100プロジェクト』、今後の行く末に注目していきたい。


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